【実例|西中瀬の家】家族の和と個を尊重する「平屋建て」の木の家【実例|西中瀬の家】家族の和と個を尊重する「平屋建て」の木の家
ご夫婦とお子さん2人が暮らす、4人家族のための木の家。
82坪の土地に建つ「平屋建て」の住まいです。
ご夫婦の寝室と子ども部屋との間にLDKを設けて、「家族が一緒に過ごす」ことを楽しみながら、それぞれのプライバシーは守られるようにと設計しています。また、家族が集まるLDKは天井を高く梁を見せて開放感を、それぞれの居室や水回りは高さを抑えて、メリハリのある住まいになっています。玄関からすぐにつながるパントリーやキッチン、物干しスペースを兼ねた脱衣室など、コンパクトな家事動線を意識しています。
家族4人の時にも、将来ご夫婦だけの暮らしになった時にも、変わらない生活動線で暮らすことができる「終の棲家」を見据えた平屋の住まいです。
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敷地面積:272.50㎡(82.26坪)
延床面積:91.50㎡(27.62坪)
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設計/えん建築舎
施工/えん建築舎
外構/えん造園舎
平屋建てを選択した大きな理由のひとつに、以前から建つ北側の隣家へ光・風が入るための配慮、ということがあります。北側の住まいの方にとって、南側に家が建つことで、窓から見える景観や光・風など少なからず影響を与えてしまいます。できるだけ建物を低く、小さく設計するよう心掛けることは、これから始まるこの地での暮らしを、お互いに心地よくいられるために大切なことだと思っています。
雑木のアプローチを抜けると、玄関があります。玄関ポーチは、深い軒と三方壁に囲まれた設計で、雨の日にも快適に出入りできるようになっています。また、ポーチの一部に、自転車とオートバイを置くためのスペースを設けています。敷地の中でコンパクトにスペースを設けることができ、玄関に横づけできるので乗り降りに便利です。
玄関から屋外を見たところ。玄関ドアを開けると、植栽のあるアプローチへと視線が抜けます。
玄関から室内を見たところ。正面の暖簾をくぐると、シューズクロゼット、パントリー、キッチンへと続きます。買い物帰り、両手に荷物を抱えていても、スムーズに室内へ入ることができ、収納にも便利な家事動線です。
玄関から引き戸を抜けると、勾配天井の広々としたLDK空間へとつながります。
天然木の丸テーブルと椅子、真鍮のペンダントライトで、家族の食卓を美しく。
テーブルから外を見ると、ウッドデッキと雑木の庭があり、ふだんの暮らしの中で季節の移り変わりを感じることができます。
キッチンは、家具職人によるオーダーの造作キッチンです。シンク側の天板にステンレスを用いて、空間に馴染みながらメンテナンスしやすい仕様になっています。
LDKの奥には、お子さんたちが使うためのスタディコーナーと洗面所があります。洗面所は脱衣室と分離して、誰かが入浴中でも気兼ねなく洗面所を使えるように。
脱衣室は、天候や時間、花粉などを気にせずに洗濯をするための「室内物干しスペース」を兼ねています。洗濯機、乾燥機、物干しスペース、家事スペースを設置して、洗濯物の「洗う」「干す」「たたむ」「アイロンがけ」が1つの場所で完結できるようになっています。
ご夫婦の寝室近くに設けた、二つ目の洗面スペース。朝の忙しい時間帯にも、洗面所の混雑を防ぐことができ、家の中での動線がスムーズになります。
天井との間のスペースを活用した「小屋裏収納」へは、ハシゴをかけてのぼります。
ハシゴを上り下りしての荷物の出し入れになるので、ふだんの暮らしの収納には向きませんが、扇風機やストーブ、クリスマスツリー、ひな人形、鯉のぼり、夏/冬のラグなど、出し入れの頻度が少ない大きな物を収納できて便利です。
中庭から朝の光が差し込む、主寝室。
LDKからつながるウッドデッキと雑木の庭。道路から見えないよう設計しているので、近隣からの視線を気にせずに過ごすことのできる外空間です。
軒の出を1200㎜と深く取り、雨や直射日光から外壁を守り、サッシ廻りの雨漏りを防いでくれるように。窓に直接雨が当たることがほぼ無いので、雨音がやわらかくなり、雨の日に窓を開けることもできます。軒の下でのんびりと雨音を聞きながら過ごすのも素敵ですよ。
雑木は、狭義に「日本に自生する落葉樹」を意味します。落葉樹を使うことで、春の芽吹き、新緑、夏の鮮やかな緑、紅葉、そして落葉と、一年を通して、自然の美しさと季節の移ろいを感じることができます。晴れの日も、雨の日も、曇りの日にも。それぞれに美しい植物たちの表情を楽しんでいただけたらと思っています。